理事長退任のご挨拶
2013年10月の設立以来、当協会の理事長を務めさせて頂いておりましたが、2020年6月1日に開催されました理事会におきまして、理事長を退任いたしました。
まずは設立以来、ディペンダビリティ技術の研究・開発・実証・評価・標準化・普及などを共に推進して参りました会員企業の皆様に心より御礼申し上げます。また、本ディペンダビリティ技術の核となる研究開発をご支援いただき、その後も継続的なご支援をいただきました科学技術振興機構(JST)、当協会設立にあたりご支援をいただき、その後も強力に活動推進をご支援いただきました情報処理推進機構(IPA)に心より感謝いたします。
理事長在任中は、当初、DEOS技術が直接に応用できる製品が見つからなかったこと、これに並行して、基礎となる開放系総合信頼性の考え方がなかなか広まらなかったこと、など、理事長としての力不足を感じることも多々ありました。その後、Dependabilityの日本語訳がJIS Z8115により「総合信頼性」に決まり(発行は2019年)、また、DEOS技術を中核技術とした国際標準IEC62853 Open systems dependabilityが制定されました(発行は2018年)。これに呼応するように、自動運転技術や人工知能応用製品、さらには健康医療分野において開放系総合信頼性技術の重要性が認識されるようになり、ようやく当該技術が次の発展段階に入る兆しを見ることが出来ました。加えて、2019年には、開放系総合信頼性技術の振興に対して、文部科学大臣表彰を受賞する栄誉に浴しました。これを機に、これからは若い力と新しい知見をもって、開放系総合信頼性に関連する技術の発展・普及を推進するべきであると考え、理事長を退任することにいたしました。
今後は新理事長を中心に当協会を運営し、会員企業の皆様と一緒に関連技術の発展・普及に努めてまいります。皆様の引き続きのご支援を心よりお願い申し上げます。末筆ながら、これまで包括的ご支援を頂いて参りました文部科学省並びに経済産業省に心より御礼申し上げます。
2020年6月
一般社団法人 ディペンダビリティ技術推進協会 名誉理事長(創立時理事長)
所 眞理雄