DEOSの目的・背景

DEOSは変化しつづける目的や環境の中でシステムを適切に対応させ、継続的にユーザが求めるサービスを提供することができるシステムの構築法を開発することを目標としています。

近年、コンピュータシステムは、

  • システムの複雑化
  • システムの巨大化
  • システムのネットワーク化
  • 構成要素のブラックボックス化
  • レガシーコードへの依存度増大

が進み、作り手ですら完全にシステムを理解し、詳細を把握し、完璧に構築する事は至難の業です。

その上、

  • サービスの多様化
  • サービス利用者の要求の変容
  • 社会のルールや仕組みの変容
  • 事業目的の変容
  • 他システムの仕様の変容

などに常にさらされ、動作環境は不確実さを増しています。

すなわち、現代のコンピュータシステムは機能、構造、システム境界が時間的に変化しつづけるオープンシステム(開放系・変化系)であり、これに起因する不完全さと不確実さを完全に排除することができず、未来に障害となりうる要因(開放系障害要因)を本質的に抱えています。

私たちは、それらの要因を顕在化する前にできる限り取り除き、また、顕在化した後に迅速かつ適切に対応し、影響を最小とするようにマネージし、利用者が期待する便益をできる限り安全にかつ継続的に提供する努力、社会への責任ある説明、およびそれらを継続的に行うことが必要だと考えています。

私たちは、これまで多くの研究者が研究し、議論し、整理して来たディペンダビリティの概念を否定しません。これまでは、システムを時点時点でとらえ、主に偶発的フォルトや意図的フォルトに焦点を当て、システムの安心安全を高めるための技術が研究され、議論され、開発されて来ました。これに対して私たちは対象を時間的に変化しつづけるシステムとしてとらえ、不完全さと不確実さに起因する開放系障害に焦点を当て、開放系障害を起こす要因の最小化と、開放系障害による影響の最小化によりサービスの継続性を向上させようと考えているのです。

ページのトップへ